MASARUの痛風は経過観察

ブリッジ・オブ・スパイのMASARUの痛風は経過観察のレビュー・感想・評価

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)
5.0
ど傑作だった。

俺の今まで観てきた映画の本数なんてたかだか知れているけれど、それでも、映画っていうのは観たら観た分だけ体にしみつくものだと実感している。
序盤からそんな映画細胞が静かに共振し、最後にはそれがビッグウェーブとなって押し寄せる感覚があった。

ど感動した!
今までいろんな映画を観てきてよかったと、心底思った。

隅から隅までマスターピースだと思うけど、
俺が鷲掴みにされたのは、

「自画像」

「スタンディングマン」

「自分が確かならいい」

だ。

俺がこの映画から受け取ったものは、
「自分自身と向き合え!」
というメッセージだ。

生きていると、人の顔色をうかがったり、大衆の意見に流されたり、そんなことばかりだ。
そうやってバランスをとったり、ときには逃げ回ったりしないと、しんどいのもわかる。
でも、人はいつかは自分自身と向き合わないといけない場面が必ずあると思う。
俺の年齢だと、友人から恋愛の相談をされたり、社員のコに仕事の相談をされることがある。
極論になるかもしれないが、そういった問題を突き詰めて考えていくと、
ほとんどが「自分自身の問題」なのだ。
他者や環境は関係ないのだ。

今までそれをしてこなかった人はけっこういると思う。
そうやってそれを避けて生きていると、30代半ばぐらいで必ずつじつまが合わなくなってくる。

自分自身と向き合うのは孤独な作業だ。
前にも書いたが、俺が孤独な人が好きなのはそういう理由かもしれない。
この映画の、ロシアのスパイ役マーク・ライランスの孤独点は満点だ。
泣けて泣けてしかたがなかった。
今年の助演は絶対彼だろう。(スタに獲ってもらいたいのは山々だけど)

あと、そういう生き方をしてる人は優しい人だと思う。
映画ではそういうことも描かれていた。