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ブリッジ・オブ・スパイのISHUのレビュー・感想・評価

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)
3.5
長いけれど、長さを感じさせない映画。ものすごく手に汗握る、息をのむ展開という訳ではないのに、観客の視点を引きつけ続けられるというのはやはり脚本がよいのかしら。後でみたら脚本はコーエン兄弟だった。

東ベルリンの歴史について一時期本を読み漁って、ベルリンまで行ったくらいなので、時代背景や地理的なところもなんとなく頭に入った上で見られたのがよかった。ドイツ語でチンピラ達にウンテルデンリンデンはどこですか?と聞くシーンではうっかり森鴎外を思い出した。このたった150年ほどのスパンで、この街はどれだけの変化を遂げたのだろう。かつて国費留学生が学ぶ場所だったベルリンの、東側があんな風に分断され、荒れ果てるなんて。そして現代ではあそこまで復活するなんて。誰が想像しただろう。なんて事を思いながら鑑賞。

東西をつなぐ列車の緊迫感と、ブルックリンーマンハッタンを繋ぐ電車の別の意味での緊迫感という対比よ。もうちょっとドイツ語が分かればまた印象も違ったのだろうけど、捕らえられた学生の彼を探して彼女が彼はどこ?!と言うくらいしかわかんなかった。外国語には字幕がつかなかったのは、あの場の臨場感がわかる、と言う意味ではよいのかもしれないけど、ドノヴァンまぁまぁドイツ語わかってそうな描写だったのでもう少しくらい字幕あっても…。

ドノヴァンの忍耐力がいろんな場面で効いてくる。最初の裁判、ドイツとの交渉、CIAとの交渉、最後の交換。ドノヴァンが短気だったらなし得なかった交渉だろうなぁ。
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