イチロヲ

いたずらロリータ 後ろからバージンのイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
うだつが上がらない営業マンの青年(阿部雅彦)が、少女(水島裕子)の姿へと変身することができる不思議な人形をゴミ箱から救出する。魔法人形との交流をメルヘンチックに描いている、日活ロマンポルノ。

「人間に変身する仕組みのことは、あえて追求しない」という寛大な心持ちが必要不可欠となる作品。そもそも白人モデルのセルロイド人形が、日本人に変身する時点でツッコミどころ満載だが、そこは見て見ぬふりをすべき。

前半部は、主人公のアパート住人の悲喜交交をコメディ調に描いていく作風。後半部は、「人間のように素敵なセックスをしたい」という切ない人形心理を描いていく展開。悪役の令嬢役を、三東ルシアが熱演している。

「人間とロボットの恋愛」をテーマにした手塚治虫作品にも通じる、SFファンタジー・ポルノ。個人的には、ヒロインの演技に人形っぽさを残して欲しかったが、ツルツルのホワイトスキンに説得力がある。意味深長なラストシーンにも、ウルッとさせられる。
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