『セブン』や『ゾディアック』の二番煎じ的な雰囲気を匂わせておきながらも見応えのある重厚な作品に仕上がっており面白かった。
「田舎町で起こる連続猟奇殺人事件」というフレーズこそ既視感を覚えるが、物寂しい雰囲気と登場人物たちのやり取りでここまで毛色の違う作品に仕上がる。色で言うならば、徹底して青に近いグレーなのだ。
主演はスーザン・サランドン(かったるそうな演技が最高!)でギル・ベローズ、エレン・バースティン、ドナルド・サザーランド、クリストファー・ハイアーダールらが脇に顔を揃える。なかなかの高齢キャストなので若くてかわいいトファー・グレイスに癒されるという構図がまたたまらない。
それから本作も宗教絡みの動機がバックボーンとしてストーリーを動かしていくのだが、サザーランド演じる老神父の「時代は変わった。揺るぎない信仰を維持することは難しい。現代人が疑いを抱くのも無理からぬことだ」という台詞が妙にリアルだ。