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この国の空のtheocatsのレビュー・感想・評価

この国の空(2015年製作の映画)
1.0
情欲に負け生娘不倫をする妻帯者長谷川博己

全く奇妙としか言いようがない戦争末期の東京描写記。

申し訳程度に空襲の脅威が描かれはするが緊迫感は皆無。
市井の人々の描写も緊張感、逼迫感がリアルなものとしては伝わってこず、弛緩しきっている空気感。※ヒロイン宅での母伯母姉妹喧嘩も深刻さのない茶番劇。

もしかしたらその弛緩した空気感こそ、終戦間近の東京に蔓延していたリアルな雰囲気なのかもしれないが、それにしても邦画戦争物としては極めて異例と言わざるを得ない。

しかし、本作の焦点は子持ち妻帯者:長谷川博己と燐家の生娘:二階堂ふみの「徐々に盛り上がる禁断の恋」にあり。
そこに注目するなら、これはもしかしたらヘタウマのシュールギャグなのか? と複雑な笑いが堪えられないような場面もあり、戦争物の固定概念が次々崩壊していく。

闇米買い出しに二人して出かけ神社で休憩中、二階堂を見つめる長谷川の目がどんどんエロオヤジ化し、二階堂ににじり寄り二階堂は後じさりする場面は新しいダンスかよ? とついつい爆笑!
※そこで「何をしているのっ!」と神社のおばさんが厳しく注意しなかったら場所柄もわきまえず大罪を犯すことになっただろう。それにあのエロオヤジ顔には彼のファンもドン引きしたに違いない。

後の本番不倫劇は恥ずかしすぎて書けませんので実際ご覧ください。笑

エンドロール中の「私がキレイだった時」という詩の朗読もシュールとしか言いようなし・・・

二階堂ふみの棒読みセリフも長谷川のギラギラエロオヤジ化もその他すべて、結局吉本のお笑い体質がもたらした惨禍弊害ということなのかもしれない。

本作の監督と吉本関係者は猛省してもらいたい。


珍しい体験をさせてもらったのだから三ツ星とも考えたが、微妙に不真面目さが混入しているような嫌な気配が感じられたので総評一つ星。
恐らく不本意な演技をさせられた可能性が高い俳優陣には五つ星。


◆追記
レビュー投稿後に調べてヒロイン二階堂ふみが監督の腋毛演出に抵抗を見せたというような記事を見つける。それがホントかデマかは分からないが、さもありなんというエピソード。
ただし、二人の映画インタビュー記事を読むとそういった演出不満などは触れられておらず(そりゃそうか・・)、棒読み演技などの理由も明確に語られているのでなかなか興味深い。
しかし、事前にそれらの情報を知ってしまうと先入観になってしまい、素の映画感想が毒されてしまうので難しい点。

002008
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