ヴェラの祈りの作品情報・感想・評価

「ヴェラの祈り」に投稿された感想・評価

前作同様に終始溢れ出るタルコフ好きーは素晴らしい。同郷のフォロワーとしてはピカイチだろう。ただし、ストーリーも含め若干スノッブすぎる気はする。推理小説の如き伏線回収も流石なのだが、結局は「子供は社会のもの」という学説をストーリー化したかっただけなのかと思うほどの、展開に無理やりさは感じる。とはいえ、全てにおいて高次元の作品である。称賛せざるを得ない。
この監督はめちゃくちゃ好き
この作品はずば抜けて哲学的だ、むず
でも好き
ekn

eknの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あまりにも語らなさ過ぎて受け手が考えざるを得ない作り。意図的に重要な部分を空白のままにするのは、子どもたちが遊んでいた絵画のジグソーパズルのショットを想起させる。あの絵画に意味があるんだろうか。
『エレナの惑い』は過干渉の果ての殺人で、本作は無干渉の果ての自殺か。
上旬

上旬の感想・評価

3.4
【第60回カンヌ映画祭 男優賞受賞】
『父、帰る』『ラブレス』等のロシアの巨匠アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の長編2作目。

ズビャギンツェフ監督はすごく好きなのだがなぜかこの作品だけ観ていなかった。

本編も示唆に富んでおり、映像も素晴らしく美しく紛うことなきズビャギンツェフ作品という感じ。長いショット、美しい映像、少ないセリフが特徴で、この作品はその極地。

前半の何気ないセリフが後半の伏線になっていたりとミニマルながら脚本もよくできている。

ただ最近の『ラブレス』などと比べると映像の美しさだけが際立ちすぎている印象。個人的には『ラブレス』と『父、帰る』がベストなのでそれを超えることはなかった。

また特典として付いていた取材映像が面白くて、長編デビュー作がいきなりヴェネツィア映画祭金獅子賞を獲ってしまったためかなりのプレッシャーの中でこの作品を撮ったという。

ロシア国内ではあまりにもタルコフスキーに寄せすぎ、など批評家だけでなく先輩の映画監督にも嫌なことをたくさん言われたそう。でも世界をまわると絶賛の声が大多数で、特にベルイマンに褒められたのが嬉しかったという。ズビャギンツェフって意外と神経質な監督なんだなっていうのがよく分かった。

子役のあの女の子、本編でもすごく可愛かったけど、映画作りに興味があるそう。もしかしたら監督として将来出てくるかもね。楽しみ。
NYARGO

NYARGOの感想・評価

4.3
2人の幼い子供がいる夫婦。冒頭、奥さんの「赤ちゃんができた。あなたの子じゃない」という告白から始まります。
基本的にはサスペンスやスリラーのように感じながら、人間関係の滑稽さを揶揄したコメディのようにも感じました。

家父長的な関係性の夫婦で、夫は常にモラハラ気味に自己完結して奥さんと向き合おうとしません。ロシアの世相を反映してるのかもしれませんが、男女間のこういうのは万国共通なんだなとしみじみ。

所詮相手の考えを100%理解することは不可能なのに、決して配慮・尊重し合うことがない関係。奥さんは夫にずっと呆れています。「あなたはいつも他人事ね」
重く長いあるあるネタと綺麗な風景とのコントラストに当てられそうになりました。

近くで見ると悲劇、遠くで見ると喜劇。
反芻もしたいですが事実を追っていくだけでもすごく面白かったです。
すすめられて鑑賞。画がすごくきれい。途中から理解が追い付かず、2回目必要かな。
mmm

mmmの感想・評価

3.9
夫婦間の深い溝をじわじわと見せつけられる2時間半。
美しい画と静かな音がまた哀しみを助長させる。
ロシア人の女性は耐え凌ぐタイプが多いのだろうか、、、

このレビューはネタバレを含みます

原作と宗教を知っていてようやく納得できる

引っ越した後「沢の水が止まる理由はなんだっけ」
ヴェラのロベルトへの告白「家族を自分のためにしか愛していない」
誰も居なくなった家、雨、流れる沢の水がどこへ
すべてが終わり、最後にアレックス「子供らを迎えに行く」
これでアレックスの人物像がようやく見えてくる
考察必須

宗教的美しさと比喩的表現が盛り込まれている
愛の欠如とディスコミュニケーション。そして、孤独。

それは、普通であれば分かち合えたはずのものでさえ、分かち合えなくしてしまう。
あらゆる可能性を閉じてしまう。
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