潜水艦+冒険活劇+科学哲学の盛りだくさんな内容で、50年代とは思えない、おっもしれえぇぇ作品!!
そして、ノーチラス号かっけえええ!
どうやってこれ撮ってるんだ?と無粋な探りを入れたくて仕方ない。そのくらい特殊効果は凄かった。イカももちろんのことながら、細かい海洋生物や大規模な戦闘まで、映像に熱がのってた。
音楽やSE(特に潜水艦から出る音のアレコレ)もチープ感がなく、SF好きを熱くさせてくれる環境だった。そして、やはり最もテンション上がるのは、ノーチラス号のルックと内装!外も内もイカすのね、イカだけに()。ゴツゴツの蒸気機関みてーのがガッシャンガッシャンいってるだけで楽しいのね。
あまり期待してなかったところで(失礼)ちゃんとしてたのがストーリーだった。「命より科学」のネモ船長と「科学より命」のネッドに、引っ張られたり突き放されたりして葛藤する教授を(実質)主人公に添えた美しい三者関係から導かれるストーリーは見事としか言いようがなかった。SFの物語ではよく語られる「科学の善悪」だが、ジュールベルヌ原作なだけあって、今作はその元祖にして究極系をしっかりと語っていた。悪い人間達だからって殺していいのか、科学は悪用されるかもしれないから手に渡さない方がいいのか?などシンプルな二項対立を一般論とネモ船長で対立させ、我々観客もネモ船長に惑わされる、という非常に社会派な映画でもあった。また、ネモ船長は哲学の先生のように口だけの人ではなく、しっかりとそうなったことが納得できる過去を持った人物である点も説得力があった。話の終わり方は、そんな答えの出ないテーマを各サイドが貫き通し、教授が観客と同様に中庸のような立場で次につなげるようなラストで、とてもいい着地だなと思った。
とはいっても、そんな説教くさい内容はうまくストーリーに絡まってるので、観やすいのもgood。