銀幕短評 (#188)
「草原の実験」
2014年、ロシア。 1時間 36分。
総合評価 96点。
原題は “試み”。
ロシアの映画を観るのは初めてかもしれない。しかし、辺境の草原地帯の物語りなので、登場するのはモンゴル人、あるいは北方ロシア人との混血のように見える。
要らないものを、すべて削ぎ落としている。そのぶんカメラがとことんものがたりを語る。単調な草原の景色や生活でも、アングルを工夫することで、生き生きとつやつやしく描かれる。登場人物とセリフ、さらに音楽が 極端に抑制されていて、うつくしい画像に没入できる。
ことばがなくとも指で会話するということはできるわけだ。