イペー

哀れなピエロのイペーのレビュー・感想・評価

哀れなピエロ(1892年製作の映画)
3.0
アニメ、立会い出産はフランスで!

フランスの発明家にして興行師、エミール・レイノーが、自作の装置テアトル・オプティーク(=光学劇場)で披露した世界最古のアニメのひとつ。

映画史について、趣味でちょっと本なんか読んでみたり。ネットで調べたり。
一応の知識として、リュミエール兄弟のシネマトグラフが映画の起源である、というのは何となく理解しておりました。

それまでも動く映像を見る装置というのは色々あったのですが、シネマトグラフについては、スクリーンに映写して複数の人間が同時に見られる、というのが革命的だった訳ですね。

ところがリュミエール兄弟に先駆けて、レイノーという人が、大掛かりな映写装置でもって見世物を行なっているんです。
その名も"テアトル・オプティーク"
複数の人間が同時に楽しめる、という事で言えば、シネマトグラフより三年も早い。知らなかった…。

まあ、向こうは撮影・記録された映像を映写する装置で、当然、実写です。
こちらは人力でグルングルン機械を動かして、その場で映写する装置。映るのは手描きの絵です。これこそがアニメ映画の起源。

さて本作の内容ですが、求愛する男性と、相手にしない女性。そして男性をコッソリ棒で殴るヤツ、というね…。素敵なミュージックに乗せてね…。
まあ当時の定番コントみたいな感じなんでしょうか。微妙にクセになりそうです。

初めは大ウケしたレイノーの興行も、実写映画の登場で、すぐに飽きられてしまいます。その功績も長く顧みられる事が無かった。皮肉にも、彼自身の姿が、哀れなピエロに重なって見えるのでありました。

…映画を愛する自分による、第一回「イペーの映画の起源を探訪する」でございました。
本日より開始のこのシリーズ、本日をもちまして終了といたします…。