つのつの

工場の出口のつのつののレビュー・感想・評価

工場の出口(1895年製作の映画)
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『黒沢清 21世紀の映画を語る』という本の中で、黒澤監督がこの作品を絶賛していた。
曰く「フレームの外部を観客に想像させる初めての作品」とのこと。
youtubeで見てみたけど、たしかにあれだけ大勢の人たちはどこに行くのだろう。
そもそも工場の内部はどうなっているのだろう。
あの犬は、あの馬車はどこから来てどこへ向かうのだろうと考えずにはいられない。
その答えが美しいのか恐ろしいかはわからないけれど、見ているうちに無意識かつ強烈に好奇心が芽生えてしまう本作が持つ特有の魅力は、そのまま現在のように2時間ぐらいかけて壮大なストーリーを語る作品に脈々と受け継がれているような気がする。
観客が無意識のうちに物語を想像してしまう映画を世界で初めて作ったのが本作の凄い点なのかもしれない。

P.S
この想像をかきたてる点が本作の優れている点ならば、何でもかんでも説明してしまう作品がいかに映画として陳腐であるかも説明がつくかもな
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