テリーマザーファッカー虎

母娘監禁 牝〈めす〉のテリーマザーファッカー虎のレビュー・感想・評価

母娘監禁 牝〈めす〉(1987年製作の映画)
4.1
日活ロマンポルノでありながらファーストカットからしっかりと"映画"を感じ、かなり前のめりになってしまいました。

80年代の暗黒青春物といった感じですが、荒井晴彦が描く10代が持つ空虚さ、それゆえの脆さや危うさは現代にも通じる物があり、どうしても心にきてしまう。

主演の前川麻子のアンニュイな佇まいと相手役の加藤善博の飄々としたクズ男っぷりも素晴らしい。
特に前川麻子がセーターを首まで被るあの場面なんかは凄く良かった。

映画演出としてもラストと対にもなるオープニングの海の場面や冷蔵庫の印象的な使い方、友人が自殺する一連のシーンなど非常に印象に残る場面ばかりでした。

地獄のクライマックスからオープニングと対になるラストにかかる荒井由美の『ひこうき雲』の誰かのカバーもどしんと来ました。