ヒロ

母娘監禁 牝〈めす〉のヒロのレビュー・感想・評価

母娘監禁 牝〈めす〉(1987年製作の映画)
4.0
漠然と靄のように漂う不安定な思春期の希死念慮が友人の自死をきっかけに表面化する、あの時死んだ心と生暖かい身体を引っ下げ贖罪を兼ねた自傷行為を重ねるがいまいち体温は戻らない、刹那的な性の為の永続的な夫婦ごっこが齎す倦怠感、一縷の望みを掛けた一本の電話が少女の希望にとどめを刺す、母の腰に性を母の喉に生を感じてしまった少女の病は完治し、死ねなかったものとしての新たな人生がスタートする。

吐き気がするほどの胸糞展開だが、神懸かり的な冷蔵庫の使い方と“ひこうき雲”が突き刺さる、荒井晴彦による青春残酷物語。傑作。

2021-21
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