kuzira

ライオット・クラブのkuziraのレビュー・感想・評価

ライオット・クラブ(2014年製作の映画)
3.4
人生の早い段階で気づく何かに秀でた人の
「自分って人より優れているんだ」って感覚

身震いするほど自信に満ちる瞬間でしょうか
謳歌する権力は蜜の味、権威を振りかざし
満ち足りる事のない下品な遊びで自由を渇望する

将来もお金も血縁も何もかも不自由はないのに
どうしてか何も手元にない感覚を拭えなくて
同じような仲間を引き連れて今日も明日も
狂い乱れる、遊び乱れる、暴れ乱れる

そんな眉目秀麗な英国美青年達の
下劣で下衆な愚行の数々は見事に醜く、
ライオットクラブとしての人間の欠点が
浮き彫りになっていく様は見事に弱々しい

主人公がライオットクラブに入りたかった経緯は
あまり語られず、強引に話を持っていくし
それぞれの軸も愚行に夢中になってて
誰が誰とか結局見分けがつかないのだが、
マスターも劇中で言ってたような
"皆んな同じように見えた"が真実かもしれない
急に腑に落ちた瞬間だった


にしても、画が保つというのは素晴らしい
どんなに理不尽で醜く、そして酷くても
美青年達の美貌は返って活き活きしていく

美しさを前に息を呑むとはこの事ですね
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