みおこし

シャンプーのみおこしのレビュー・感想・評価

シャンプー(1975年製作の映画)
3.4
最近好きな監督ハル・アシュビーが手がけた一本。ジャケットがオシャレなのでずっと前から気になっていたのですが、観る機会に恵まれずようやく鑑賞!

ビバリーヒルズの一流サロンで美容師を務めるジョージは、自分の客である富裕層のマダムから若い女の子まで、誰彼構わず口説いては関係を持ってしまう筋金入りの遊び人。愛人の1人である政治家レスターの妻フェリシアが、店を持つために夫に口聞きすると申し出てくれたことで、意気込むジョージだったが...。

ウォーレン・ベイティ扮するジョージが近年稀に見るクズ男!!(笑)本当に病気なんじゃないかと思ってしまうくらい、所構わず女性と来たら誰にでも手を出してしまうし、おまけに仕事も放ったらかしでフラフラしてばかりで、なんでこんな男にみんな惚れてしまうのか謎...。ビバリーヒルズのカリスマ美容師という肩書きのおかげ?
ジョージの陰に隠れていますが、ジャック・ウォーデン扮する政治家レスターもなかなか...(笑)。妖艶なリー・グラントを妻に持ち、ジュリー・クリスティーを愛人に持つという誰もが羨む状況ですが、これまたなぜ2人がレスターに惚れたのか謎...。
本作に登場するキャラクターの中で一途かつ真剣に恋愛をしている人物は、ある意味でゴールディ・ホーン演じるジルくらいかなと。このジルちゃんもなかなかのぶっ飛び具合で、ジョージの職場に押しかけてきてお客様の前で騒ぎ出す始末...!
とにかく全体的にどのキャラも救いようがないくらい人として未完成すぎて、誰にも感情移入できないまま観終わりました。「いやいや、そんなこと繰り返してたら自業自得だよ」とラストシーンのジョージの姿はある意味スカッとしたくらい(笑)。

でも1960年代末期の流行最先端のビバリーヒルズを舞台に、美男美女の愛憎が繰り広げられるストーリーはハラハラ!そしてとにかく出てくる衣装やセットがオシャレ!個人的にジルが着ている黄色と紫のミニワンピがいかにも60'sでツボでした。
これだけでも目の保養になりました。四角関係なんてザラ、とにかくドロドロの人間模様に圧倒されること間違いなし!クスッと笑ってしまうシーンも多々あって、ハル・アシュビー監督の手腕が光るハイセンスな一本でした。
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