おおさこ

ネオ チンピラ 鉄砲玉ぴゅ~のおおさこのレビュー・感想・評価

4.0
〝青春映画の大大大傑作!!〟

最近観た幾つかのVシネマの中で、断トツに面白かった!!
高橋伴明監督。哀川翔初主演の1990年の作品です。

哀川翔が演じるのは、少年院を出てヤクザ見習い中の青年。冒頭、兄貴の為にトイレの準備をするシーンから秀逸。トイレットペーパーを綺麗に三角に折ったりしながら、テキパキ準備を整える姿が丁寧に撮られていて、彼の人となりが良く分かる気がしました。車の運転中も、アニキたちの会話に聞き耳を立てて、組の情勢、業界の流れにしっかりとアンテナ張っていて、なんかエエやん。
サブキャラクターもみんな個性的。特に哀川翔の恋人が、ヤクザ以上にヤクザマインドの持ち主と言うクセモノ。哀川翔が、車を盗んだ相手を簡単に許すと「一発キメてソープに沈めれば良いシノギになるじゃないの」なんて言っちゃったり・・・。
峰岸徹、宍戸錠、大杉漣、かっこいい男が、次から次に出てくるのもポイント高し!
この人達がHow To ヤクザを教えてくれるので、お勉強にもなりますよ。
例① ビールの空き瓶はテーブルから下げるべからず。もしもの時に道具になる!・・・そうですよ。さっそく明日にでも使えますね!
これらを、いちいち哀川翔がマネするんだけど、かっこいいとは程遠くて、なんか不器用で無様。で、少し可愛い。
最後まで飄々と進んで行くかと思いきや、鉄砲玉に任命されてからのジタバタが凄い!モガいてアガいて必死に命にすがる様が、切なくて胸に来ます。
背中に彫った筋だけの刺青に、口紅で色を入れたり、地面に描いてあった落書きにも色が入って、煌びやかなお城の絵になったりと言う演出も、切なさを一層と深くしていました。

かるーい気持ちで観たけど、本当に本当に凄く面白かった!とぼけた雰囲気からの切なさ、感情の高低差で耳・・・。
ラストカットは震える程かっこいいので、オススメです。