若き天才と呼ばれるグザヴィエ・ドラン。正直彼の作品を観たことなかったのだけれど、そのドランがキャストとして熱望した作品と言うのだから、興味本位で観てみました。
それで、一言。ドランすげえわ!
もう表現者として超一流の才能を持った人は、別に監督であっても、役者であっても「表現すること」のもとにおいては関係ないのだろう。それをこの映画でまざまざと見せつけられた気がします。
本編のほとんどが、ブルース・グリーンウッド演じるグリーン院長と、ドラン演じるマイケルの会話劇。ただそれだけなのに、時間を感じさせない脚本と、それを演じる2人の演技に引き込まれる。
マイケルの言葉巧みな会話に翻弄されるグリーン院長。そして、その会話を聞いていくうちに、じわじわと、またじわじわと、マイケルの本意に気づき、そして気づいたときには…。
マイケルの心の奥底を理解した後、もう一度作品を味わえる映画ですね。