ある意味、クリスマス映画ですね…。
今のことろ私にとって"ドラン映画"に"ハズレ無し"です。
と言っても、今作はドラン監督作品では無いけれど。
これは、脚本が素晴らしい。
だからこそ、ドラン自身が脚本を読んで、出演を熱望したというのが分かります。
なんだかね…「ユージュアルサスペクツ」のケビンスペイシーを思い出しました…この映画…のドラン演じるマイケル。
実は私は密室劇が苦手。
でも、のめり込むように観てしまいました。
この映画はほぼ密室劇による会話劇。
おそらく、映画の"尺"と映画の中で起こっている出来事の"時間軸"はさほど差がないだろうな…と思いました。
精神病院に入院しているドラン演じるマイケル。
マイケルの主治医のローレンス先生が前日から突然姿を消してしまう。
ローレンス先生に一体何が?
最後にローレンス先生と接触したのはマイケル…。
精神病院の院長であるグリーン先生(ブルースグリーンウッド)が、ローレンス先生の診察室でマイケルと一対一で話し、ローレンス先生の行方を追う。
グリーン先生をはぐらかしたり、色々と仕掛けるマイケル…。
ああ…私、ブルースグリーンウッドさん、お初の役者さんです。
日本で言うところの長塚京三さんのような?
大人の落ち着いた演技が光ります。
それでもマイケルに奔放されてビンタかましてしまうのだけれど。
ドラン演じるマイケルの片方の頬を持ち上げてほくそ笑む笑顔や、眼球の動き…悲しい顔。
そして、"願いを乞う"時の表情がたまらない!!!
マイケルが"アンソニー''と名付けて可愛がっている象の縫いぐるみ。
マイケルは何故"象"にこだわるのか…。
グリーン先生の会話の中で、何故マイケルが精神病院に入院したのか…生い立ちも分かるようになります…。
そして、交互に差し込まれるグリーン先生と警察?調査委員会の人?との会話。(要録音)
一体何が?
グリーン先生の妹オリビア(キャリーアンモス)から度々掛かって来る電話。
電話が鳴る度に2人の会話が中断される。
観てる側からも、今は掛けて来るなよ!!ってグリーン先生の気持ちになってしまう。
その中断シーンがまたアクセントになっているんだろうな。
だって、今日はクリスマスなんだよ?
キャサリンキーナー演じるスーザンピーターソン看護婦長。
(看護師長と翻訳されているけれど、看護婦長で良いのでは?)
グリーン先生の元妻。
ああ、どんな映画でもキャサリンキーナーは素敵だなー。
マイケルはミスピーターソンのことを悪く言ったりしているけれど、でも、2人の繋がりはまるで母子(おやこ)のように思えたました。
マイケルを心配して(?)、診察室のドアの前で立ち聞きをするミスピーターソン。
キーポイントはグリーン先生が"老眼鏡を家に忘れて来た"こと。かな…。
老眼鏡を忘れて来なければ…。マイケルのカルテさえ読んでいたら…。
マイケルはここまで計画していたのか…。
少しミステリーサスペンスふう…。
マイケルの…
一度だけ会ったことのある父親との思い出。
お願い!!象を撃たないで!!
象は哺乳類の中で唯一涙を流す生き物らしい…。
象の涙で私も泣いた(T_T)。
グリーン先生の姪っ子ちゃん、(敢えて書きます)ダウン症。
可愛かったなー。(私はダウン症の子供は天使だと思っています)とマイケルのやり取りがほっこりさせられた…な…。
そして…戦慄が走りますが、反対に穏やかなラストシーン。
雪がたくさん積もっているとても寒そうな公園…。
さあ、今日はもう2人で帰ろう。クリスマスなんだから…。
そんなラストシーンでした。
オープニングで流れるマイケルの母が歌うオペラ「o mio babbino caro」が圧倒的で、そこから、どんな物語が始まるのだろう…とドキドキしました。
エレファントソング…母親に愛されていないと思っていたマイケルが母から教えて貰ったフランス語の数え唄。
結局は
母の愛を求めて…でも、母の愛を得ることが出来なかった青年の物語であった…。
ここら辺がドランらしいな…。
https://youtu.be/Sf-tjXevlyQ
o mio babbino caro
印象に残ったもの…。メモ…。
水槽の魚…グリーン先生が看護婦にぶっ掛けられたコーヒー…。
巻きタバコをささっとその場で作って、そのタバコをドランが吸う…そのタバコの仕草。
象の縫いぐるみアンソニーの鼻を使ってフェラチオの真似をするシーン…
マイケル(ドラン)のトイレでの涙…
初めて英語を喋るドランを見た…etc…