ちろる

エレファント・ソングのちろるのレビュー・感想・評価

エレファント・ソング(2014年製作の映画)
3.7
突然失踪した医師の謎を探るために、事情を知っていると思われている患者の青年マイケルを主人公の精神科医が問い詰める。
不安定で、挑戦的な厄介か問題児の青年に振り回され、靄にかかった事件の真相が残酷な結末へとつながる。
事件の謎を解くミステリーかと思いきや、青年の描いた巧みなシナリオに翻弄されていくのは観ているこちらの方で、ギラギラとした眼光の奥に元々あったのは死への渇望。
しかし更にその先の出来事までも彼なよって始めから計算されたものだったとしたら・・・と考えるとゾッとする。
トラウマが人を崩壊させ、
トラウマが人を繋げる。

ほぼ、一つの部屋の中だけの閉塞感のある映像の中淡々と流れる会話劇にも関わらず、引き込まれるのは、ドランのエネルギッシュで洗練された演技の凄みのおかげなのはとにかく間違いない。
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