淀川さん「『四谷怪談』いうもん自身がいいが、今まで作られてきた中では中川信夫のが一番よかった」
この作品がアマプラで観られるなんて、よもやよもやだ
歌舞伎っぽく始まって、その独特の長回しの演技が少し仰々しかったけど、これはこれですぐに馴れました。やがて話にどっぷりとのめり込んでいきます。
しかし、むごいことをする
外道が二人出てくるのですが、特に民谷伊右衛門の外道っぷりがひどい。どういう境遇で育てばこうなるのか想像もつかない。この男には良心の欠片もないのか。
そしてこのお岩さん、ぜんぜん怖くはありません。どこぞの呪いのように無差別な呪いではなく、完全にターゲットをロックオンしてますからね。むしろ応援してました。
この怨み晴らさでおくべきか~からひっきりなしのお岩さん。必殺「戸板返し」も快調に、死んでからがアクロバティックな若杉嘉津子の演技が素晴らしいと思います。とりわけ髪をすくシーンが凄かった。鬼気迫ってました。
仏様も見離すほどの演出も見逃せません。最期の殺陣は少しばかり長かった気もするけれど、画面の向こう側から染み出てくるような人間の業の深さが、すごくよく伝わってきました。