改名した三島こねこ

東海道四谷怪談の改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

東海道四谷怪談(1959年製作の映画)
3.6
<概説>

日本怪談の頂点にあり続ける復讐譚を劇場映画化。非業の死を遂げたお岩さんの呪いが、最低男に復讐せんとここに現出する。

<感想>

日本人でお岩さんという存在を聞いたことがないというのは、今日日であっても少数派でありましょう。

たしか目に出来物があって〜
たしか旦那に酷い殺され方をして〜
たしか怨霊かなんだったかで〜

これくらいは聞いたことがあるはず。

しかしこれ以上となると聞いたことがない。

そんな訳で視聴してみると、いやさ旦那の屑っぷりが予想のはるか上を行きました。まさかお岩さんの殺害だけでなく、お岩さんの結婚自体旦那の身勝手だったとは。

これを復讐譚と知らなければ、あまりの胸糞悪さに途中で投げだしてしまう観客もいるかもしれません。その点古典作品というのは情報アドバンテージにおいて有利ですね。

そんな悪役の屑っぷりもあって後味は爽快。これもまた勧善懲悪色の強い古典作品の美点でしょう。