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東海道四谷怪談のピッコロのレビュー・感想・評価

東海道四谷怪談(1959年製作の映画)
5.0
うらめしや~

いやー、スゴイ!。スゴイ映画を観てしまった!。

四谷怪談と言えば「うらめしや~」のお岩さん。
とても悲しい話だったんですね。お岩さんに対するイメージがかなり変わりました。「恨めしや。」この言葉に込められた意味。終盤は、お岩さんに感情移入しながら鑑賞してました。

真っ赤な新東宝ロゴから、カンカンカンと幕が上がるOP。この時点で、この映画は何かが違うと思わせてくれる。そして、そこから流れるような殺陣シーン。こりゃー、スゴイ!。

ヒュードロドロ♪と不気味な音楽が鳴り響く。身震いするような、不吉な音楽。この映画のジメジメした雰囲気にバッチリあっている。
ストーリーも面白い。伊右衛門と直助の極悪人ぶりを堪能できる。
おー、スゴイ!。

お岩さん。なにも悪くないのに、酷い目にあっていく。
顔に大きな腫瘍が出来、髪を梳くと黒髪が抜け落ちていき、血が頭からしたたり落ちていく。このシーンは、かなりおどろおどろしい。カメラワークも不気味で恐ろしい。なのに観る者の心を支配してしまう。
ひゃー、スゴイ!。

しかし、この映画はここからがスゴすぎる!。
幽霊になったお岩さんが、画面の隅に一瞬映ったり、川の底から浮かび上がったり、目まぐるしい展開で最後まで進んでいく。
「この恨み、晴らさでおくものか~。」と絶命したお岩さん。
その恨みをこれでもかと魅せてくれる。ふーっと溜息つきながら鑑賞していた。終盤、ある人物が斬られるシーンに一瞬だけ、はさみ込まれる真っ赤な地獄の海のようなシーン。時間にしたら1秒あるかないかであるが、この映画で一番印象に残った凄まじいシーンである。

悲しく切なく美しいラストシーン。
お岩さんは成仏することができたのだろうか。

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