誰しもがウディ・アレンをどこかしらに連想するのは仕方ないとしても、決して『ミッドナイト・イン・パリ』の焼きましなどでなく、オリジナルの物語として楽しむことができる。
1人の女優の独白と回想というスタイルで進んでいくけれど、どちらもクドくなる一歩手前の絶妙な突き放し感で、どちらもパートも回ってくるのが楽しみだった。
あくまでもシチュエーションや台詞の面白さに比重が置かれていて、そこに説教臭さや教戒なんかは全くないから良い。スッキリしてる。
情けなくってロクでもない男を演じさせたらピカイチのオーウェン・ウィルソンはここでもその魅力を存分に発揮している。
…と非常に安定感があって小慣れた作品なのだけれど、それが無難さにつながってしまっているのが惜しかった。
(それを突き破ったのがあの男の突然の登場というのもね笑)
僕は個人的にとっても好きなタイプの映画。
もっと崩してはっちゃけた表情も見せてくれたら評価は更に上がってたかなぁ。