佐藤でした

マイ・ファニー・レディの佐藤でしたのレビュー・感想・評価

マイ・ファニー・レディ(2014年製作の映画)
4.0
先鋭のハリウッドスター、イザベラ“イジー”パターソンがインタビューを受けている。過去にコールガールだったことも平然と語る彼女は、その頃に出会った演出家アーノルドから「君の将来のために3万ドルをプレゼントする」という奇妙な申し出をされ、人生が一変した日を振り返る。
それをきっかけに彼女はコールガールを辞め、夢だったブロードウェイのオーディションに挑戦することに。しかしその舞台は偶然にも、アーノルドが演出し、彼の妻で女優のデルタが主演するものだった…!

「ペーパームーン」などで知られるピーター・ボグダノヴィッチ監督、13年ぶりのカムバック痛快コメディ!

いやー、世界にこの8人しかいないのかよ!とか、世界にこのレストラン1軒しかないのかよ!とツッコミたくなる、非常に狭い世間のゴタゴタコメディ。
既視感モリモリになりそうなよくある設定だけど、プロットが面白いので心配無用。むしろ大御所のテクニックと言いますか、匠の技にシビれ通しでした。

インド料理屋の話をしてホテルから出ただけなのに、次のシーンではもう汗だくの食後になっていたり、
わーわーと派手に夫婦喧嘩をして妻が車に乗り込んだら、次のシーンには目の下がマスカラで真っ黒になってたり。
木を見て森を見ずということわざを拒否する、木1本で森全体を見せる技。しかもすばやく、リズム良く。

それに、“揺れ”だけで馬車に乗ってることを表現する古典的な感じとか、舞台シーンでも役者と観客を別々に撮って無駄に俯瞰で規模の大きさとか示さず“低予算”感を出す技も、レトロっぽくて楽しい。そこから生まれた良い違和感が新鮮でした。

…主演のイモージェン・プーツは、話し方に特徴があるなぁと思ったらイギリス訛りだったんですね。イギリスといえば007。うーん、7代目ボンドがトムヒさんなのかトムハさんなのかカヴィルさんなのか人選に難航してるようですが、ボンドガールはこの子に決まりだね!(勝手に決定)
佐藤でした

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