フライ

ヴィンセントが教えてくれたことのフライのレビュー・感想・評価

4.1
倫理観の無い爺さんと小学生の男の子との交流は疑問を投げかけたくなる部分もあったが、それ以上に感動するものがあった。
ビル・マーレイやナオミ・ワッツなど錚々たるメンツと子役のジェイデン・リーバハーの熱演は素晴らしかった。特にビル・マーレイは、雰囲気もぴったりで、偏屈な頑固な爺さん役は、余りにもハマっていて素敵に感じた。

冒頭から売春婦のベットシーンから始まる、ヴィンセントと言う爺さんに序盤感じたのは、自己中心的で、わがままな性格は正に老害。そんな彼と男の子オリバーの交流で見せる優しさは複雑な気持ちにさせられたし、コメディーの展開はかなり笑えた。しかし終盤で分かるヴィンセントの生い立ちや生き方、オリバーの素晴らしい人間性には感動した。

想像以上に感動させられたストーリーはアメリカの暗部を、よく表現されていて、とても興味深かった。更に聖人とヴィンセントを合わせて見せる内容はこれまで苦しみながらも国に貢献してきた彼の現実との対比に、とても悲しくシュールに感じた。
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