ほおづき

ズートピアのほおづきのレビュー・感想・評価

ズートピア(2016年製作の映画)
4.5
この映画はわかりやすく肉食と草食の2種類の種族が出てきて大きな枠組みで見れば差別問題が題材だけど、もっとミクロな意味での”偏見”のほうを丁寧に描いているところがよかった。

小さくてかわいいウサギがポリスに憧れたり、ずる賢い詐欺師のキツネっていうのは、いかにもステレオタイプな偏見のキャラクターだし、二人の出会いでのすれ違いも差別というよりは偏見が原因だった。Mr.ビッグや、ラスボスなんかも思い込みを逆手にとったキャラクターだったし、主人公もまんまと先入観にとらわれていた。
偏見を嫌ってる主人公が一番偏見を持っていたってところにドラマがあってよかったと思う。そのせいかこの主人公はちょっと好きになれなかったけど。ニックはイケメン。さすが帝王。

他にも、各職業によってそれっぽい動物が割り当てられていたり、誰もが何にでもなれる楽園(ユートピア)と謳っているけど、結局はそういった偏見でまわっていたりするのが皮肉でいい。

いろんな動物がいて差別や偏見は無くなりはしないかもしれないけど、そんな思い込みや決めつけで物事を判断しているともっと大事なことを見逃すよっていうことを、映画を観ながら親が子供に教えるための映画。