イチロヲ

ズートピアのイチロヲのレビュー・感想・評価

ズートピア(2016年製作の映画)
4.2
憧れの警察官になることができた元イジメられっこの雌ウサギが、多種多様な動物たちが豊かに暮らす理想郷へと出立するのだが、図らずも肉食動物だけを狙った失踪事件に衝突してしまう。我々が暮らす世界の社会構造とそこに附随する問題点を、擬人化された動物たちの社会に置き換えながら語っているCGアニメーション。

舞台となっているのは架空世界だが、まるで50~60年代のアメリカの国内情勢を下敷きにしたような内容になっている。物語が進展するごとに、ウーマンリブ、公民権運動、ヒッピーコミューン、ゴッドファーザーなどいったキーワードが次々と飛び出してくるので、大人でも掛け値なしに楽しむことができる。

犯人捜しのサスペンスは、勘が鋭い人や多くの犯罪ものに触れてきた人からすれば、ミスリードの先読みが容易にできてしまうレベル。また、真犯人の動機付けが弱いようにも感じられる。

とはいえども、社会構造の本質と理想郷の実現の困難さをごく自然に説きながら「全年齢指定の教則アニメ」として完成させている技量は、本当に素晴らしい。ディズニー映画の底力には感服せざるを得ない。