ほーりー

ズートピアのほーりーのレビュー・感想・評価

ズートピア(2016年製作の映画)
4.6
アメリカ国内にとどまらず、現在のグローバル化社会で生じる問題を、擬人化した動物たちの姿を通して、あらゆる年齢層にわかりやすく伝える技術の高さには、「さすがディズニー!」といった感である。

か弱いウサギが実は正義感の塊だったり、ずるがしこいキツネが実は心優しかったり、おどおどしているヒツジが曲者だったり、俊足であるチーターがメタボだったり、動作がスローモーなナマケモノがスピード狂だったり、一番弱い立場であるネズミが裏社会のドンだったりなど、そのギャップ自体も面白いが、さらにそれぞれが偏見や固定概念のなかで生きている姿は、見ているうちに考えさせられてしまった。

さて今回の目玉は動物キャラたちの造形。ディズニーではかつて「ロビン・フッド」という大傑作があり、そこでの動物の所作・表情も実に見事で、調べてみるとやはり本作のキャラ造形にも影響を与えたという。さらに「ロビン・フッド」では中世の人々だったが、今回は現代人として動物を描いている。単なる昔の作品のトレースではないんですねぇ。
伏線もうまく張られており、ラストの博物館のくだりでは、絶体絶命の状況下で、目の肥えた方なら、これが伏線だろうと気づけるのだが、さらに冒頭の場面までも伏線になっており、この二段構えの脚本が素晴らしい。

今回観たのは吹き替え版で、主役の上戸彩がしっかり声の芝居ができており、その相手役をベテラン森川智之が手堅くつとめている。(情けなさのなかにクールなカッコよさがあり、これが本当のイケメンである。)