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ズートピアのneroのレビュー・感想・評価

ズートピア(2016年製作の映画)
4.0
ジョン・ラセターが実質放逐!? 真偽は良く分からないがセクハラはいかんだろ。来年からはインデペンデントかな? また新しい表現にチャレンジして欲しいぞ。

「ズートピア」TV放映してたんでつい見てしまった。
<以下初見時のメモから掘り起こし>
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Disneyのクレジットではあるけれど、これもラセタープロデュース作品。完全に内側からディズニースタジオを制覇してしまったPIXAR。以前PIXAR展を見てその技術力に驚かされたが、今作もそのアニメーションテクノロジーのすごさに舌を巻いちゃう。すべての登場キャラクターが毛皮だぞ! それが骨格、筋肉、皮膚、毛筋一本から、衣服の質感をもかき分け、重量感までシミュレートされているって、なんちゅう世界だ。
しかも看板などでは、まだ部分的ではあるが、多国語対応も可能にしているって、もう世界戦略着々ってか!! さすがJラセター、エンドクレジットのIT系カテゴリの多さがその証左か。

プロットは、コップものバディもののフォーマットに乗った、割りとシンプルなものだが、シークエンスも目まぐるしく変わるし、アクション的にも楽しい。最後の着地点まできれいに運んでくれた。
ストーリー的(というより設定か)には引っかかるところもある。大体が現・人間社会を至高のモノとしているところがまず? 鳥類や爬虫類、昆虫などは別の大陸という設定らしいが、肉食動物はじゃあナニを食ってるのかとかも示されない。気になるよねえ。人種差別のアイロニーも含んでるんだろうが、かなり弱めなのは自主規制? 字幕版ではかなり差別意識前面のセリフになってるらしいがまだ確認できていない。

個人的には赤いギンガムのシャツ着て人参売ってるジュディが可愛かったぞ(まあ、性格的にはまったく鼻持ちならないオンナだけど) おっとナマケモノのフラッシュだけはもー最高だぜ!!
ただねぇ、テクスチャーなりレンダリングなりにあれだけ神経使ってるのに、顔の芝居に古さを感じるんだよなぁ。特に眉とか口元の表現がわざとらしい。大体目がデカすぎ。このへんは昔ながらのディズニーメソッド(というかアメリカンアニメーションの文法なのかも)を引き継いでしまっているように思える。そろそろ新しい表現にシフトしてほしい。ベイマックスなんか表情無しであれだけの芝居がさせられたんだからさ。

ところでこの吹き替えはひどすぎるよなあ。

(初見:2016年5月)
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