みゆ

モアナと伝説の海のみゆのレビュー・感想・評価

モアナと伝説の海(2016年製作の映画)
4.2
2017.03.22(66)
劇場・吹替


本当はロック様の歌声が聴きたかったけれど、吹替版の主演の2人の歌声が予想以上に素晴らしく、耳馴染みの良い曲との相性もバッチリだった。

物語としては、やっとここまで来たか…と冷静さと感慨深さが同居した作品。

シンプルなようでいて、なかなか超えられなかった壁を、やっとやっと超えてくれたなぁと。それは女性主人公が、(事実上)プリンセスでありながら性別が全く関係ない役をこなすという、本当に本当に素晴らしく開放的で平等なキャラクターだったということ。従来のディズニーアニメからすると稀有な設定だ。恋愛要素が皆無なのが更に良い。

主人公モアナは、ここではないどこかを思いながら誰かの訪れ(例えば王子様)を待つタイプでは無い。自分で選択し自立して行動する子で、父から村長(むらおさ)を引き継ぐ未来を持っている。可愛らしさと頼もしさを兼ね備えた魅力ある女の子だ。

村の将来を思うモアナは、ある使命を全うすべく、決断し行動を起こす。

マッドマックス 怒りのデス・ロードを完全に意識してる場面があるなと思ったら、マスカー監督は「ジョージ・ミラーへの敬意を払い『マッドマックス 怒りのデス・ロード』からインスピレーションを受けたシーンが、海賊カカモラと戦うシーンなんだ」「『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を見てからストーリーの案を考えたと思うよ。敬意を表したかったんだ。そしてカカモラと戦うシーンをもっと大きなスケールで描きたいと思ったんだよ。ジョージ・ミラー監督は最高だね」と述べていたそう。納得(笑)

他にも細かいところで、色んな映画のオマージュ的な場面があった。ジブリの影響も受けている感じもしたな。

物語は伝説や神話などをベースにしてあるが、主要キャラクター(モアナ、マウイ)が現代っ子さを持っているので、古臭い感じが全く無い。

映像もすごくて、特に髪の毛や海の描き方には舌を巻いた。3DCGアニメもここまできたのかと。

沢山笑って、ちょっとホロリとして、歌声に心掻き立てられて、とても楽しい時間だったな。
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