八木

モアナと伝説の海の八木のレビュー・感想・評価

モアナと伝説の海(2016年製作の映画)
3.9
箱入り娘が脱出して人格的に成長しながら大活躍。あんまりもう味しねえな(濁った目)。
前半は僕の大好きなアナ雪超えるんじゃないかというくらいテンション上がりながら鑑賞していました。赤ちゃんモアナや成長モアナ、ニワトリのヘイヘイ、子豚のあいつが凶悪に可愛い。アニメっぽいデフォルメは強めにされているはずなのに、それでも「彼らがここに生きて動いている」としか思えない実在感がすごかった。序盤は、彼女らが今おかれている状況が、歌に乗せて美麗な映像とともに、コンパクトに説明されるのは、何度でも金出して見に行きたいと感じる。職人による伝統芸能だと思います。最高。そのヘイヘイやマウイや(キャラとしての)海登場以降のコメディもゲラゲラ笑わされたし、劇場内でも爆笑とってました。
が、「心」を返しに行く作業が実は誰でもよいとか、マウイとの仲たがいから修復までの話が唐突とか、そもそもマウイという存在の説明がわりと足りてないような、とか、後半は失速した感が否めませんでした。ヒロイックなシーンで感動できなかったのは痛かったです。この話って多分、ヒロイックであることがマウイにとってとても重要なので、二人の関係の修復の描写が弱いせいで、マウイのそういうシーンが生きなかったのって、悲しい話じゃないでしょうか。
「心」がマウイに呪いをもたらすくだりとかも、途中からどうでもいい感じになってましたね。「海が味方になる」という、わりとドラえもんの四次元ポケット的なアイテムがあるのに、『そこは助けてくれへんのか』と引っかかるところも多かった。
でも結局「How Far I'll Go」が流れたら「あ゛あ゛~~!」ってなって終わりです。若しくは「You're Welcome」が流れたら「あ゛あ゛~~!」ってなって終わりです。一度目のYou're Welcomeが始まった瞬間「会って話せば悪い奴じゃないってことが一瞬でわかる」というような感覚になれて、すごくうれしい気持ちになった。両方の歌ですが、個人的には英語より日本語版のが好きです。歌聴きに行きましょう。そういう映画だと思います。
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