せーじ

モアナと伝説の海のせーじのレビュー・感想・評価

モアナと伝説の海(2016年製作の映画)
4.3
こちらも、遅ればせながら劇場で鑑賞。
幅広い年代の人々が観ていたように思う。

各方面で「海のMMFR」だと評されている本作だが、個人的には「MMFR」的であり「ゼルダ」っぽくもあり、非常にタフで美しい海洋民俗冒険ロマンであると思う。
特に、終盤でモアナとマウルがやりとりする、とあるセリフの使い方は、とてもMMFR的だったと言えるし、共通のスピリットがあると思えた。作り手がフォロワーであることを自認しているのも納得できるw

本作は、主人公のモアナが、自分が何者なのかわからない、まっさらな状態から物語がはじまり、様々な経験を経て、本当にやりたかったことに目覚めるまで…を丁寧に描いている。
特に、挫折から目覚め、自分の意志で“やりたかったこと“を取り戻す瞬間は、最も感動的で熱い瞬間だった。
そしてそれを、美しい映像と演出、凄まじいアクションで見せきるのだから、流石ディズニーだと言わざるを得ない。
さらに、主人公以外のキャラクターの配置も、今回の作品ではかなり練られていると感じた。特におばあちゃんとお母さんの存在は最高!w
ともすればこういう冒険譚では「親」とは対立してしまう構造になりがちだが、うまい事理解の橋渡しをする描写がちゃんと用意されていて、感心させられた。
もちろん、相棒であるマウルのキャラクターとしての立ち位置や主人公との関係の変化も、丁寧に描かれているのは当然だし、独特の映像表現でそれを説明していくというのも面白かった。

結果として、全体的に隙がない作品に仕上がっていると思う。
万人にお勧めしたい。
せーじ

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