寿マーガリン

モアナと伝説の海の寿マーガリンのレビュー・感想・評価

モアナと伝説の海(2016年製作の映画)
3.0

女性の言葉というのは、女性に呪いをかける。

25過ぎたら肌の曲がり角よ、30過ぎたらおばさんなのよ、子供産んだら太るのよ、など様々な「思い込み」というワラ人形を打ち付け、平成になってもう29年も経つというのに、技術の進歩や文化の変化を無視するかのように、女性を箱に閉じ込め、釘を打ち付けたがっている。
【体験談】は、人が人に伝えたい最も身近なメッセージであり、SNSで最も簡単に自分を知的に見せることが出来る【強めの呪い】なのである。


「チッキショーまじかよ、結婚出来ないだけで死ぬのかよ〜〜」と、その呪いにがんじ固めにされている私であるが、この映画に出てくるばーちゃんは、その手の呪いをかけない『非常に良質なババア』であったとみんなに伝えたい。


「あなたの、心の声に従いなさい。」


モアナのばーちゃんのセリフだ。

彼女は島でも変わり者で、ちょっぴり独自の解釈と信念を貫いている。
私はこういうばーちゃんが大好きだ。

モアナが実写版になるとして、ばーちゃん役は声優である夏木マリはもちろん、樹木希林や桃井かおり、サッチー……、まぁジャンルでいうとそういうタイプの女性に演じてもらいたい。

女だからこうしなさい、あーしなさい、なんて呪いを打ち付けてこない、数少ない年上女性。島でのしきたりなんて別に破ったって文句言わない、かといって見捨てているわけでもなく、見守っていてくれる。
こんな素敵な女性がモアナの島にいてくれて本当によかったと思う。

『海に出たいの!』というモアナは、
しきたりを破ることよりもファミリーの幸せを優先しているというのに、それを『ルールが』『ルールだ』とルールに縛られたルール厨達が島から出る事を許さない。ルール島かよ、みんな覇気を纏っている。中でもとーちゃんはヤバイ。覇王色の覇気を身につけている、間違いない。

うるせぇ!ドン!といかないディズニープリンセスモアナですが、こっこり船に乗っても、すったもんだで海に出て、すったもんだで帰ろっかなーとなっても、それでもばーちゃんは応援してくれる。
ばーちゃんだけは、モアナの【意思を尊重】してくれるのだ。


最高かよ、、そんな女性にそばにいて欲しいわよ。
マーガリンが感じたように伝えなさい、マーガリンがやりたいようにやってご覧なさい、そうやって私を育てて欲しいじゃんかよ〜〜!!!イクメンならぬイクババ!!!好きだーー!!!


【一億総活躍社会の中で、唯一不足しているのはこのポジションだよ!!!】


みんながみんなアドバイスに見せかけたマウンティングをぶちかましてくる中で、「そっと見守る」という、本来当たり前であるこの親心が圧倒的に欠如している世界で、他人と比べて一喜一憂することが滅茶苦茶多いんだけど、そんな風に人と比較するよりも、やりたい事をやるべきなのよね!!!

海があるなら出るべき!!!
タトゥー入れるなら信念描くべき!!!
やりたい事を、やるべき事を、やらねぇと!!!お前らも私も、ルール島のルールババアになっちゃうんだぜ!!!

良質なババアの精神を受け継いで、どんくさい新人も優しく見守ってあげよう。出来るやつを引き抜くんじゃない、出来るやつに育てるんや、、、

そんな事を思っていたら、途中で寝てしまった。社会人という荒波続きの航海の中には、信念どーこーの前に体力が大切よね。