ミア

モアナと伝説の海のミアのレビュー・感想・評価

モアナと伝説の海(2016年製作の映画)
4.0
ここ最近のプリンセスもの(という括りが本当は適切ではないが)で一番いい

ラプンツェルあたりから始まった、プリンセスをメタ的に捉え返す潮流にのっとって、本作でも従来の「プリンセスならこうする」的振る舞いに批判的な描写がある(ドレスを着て動物連れてたらお姫様だ、歌い始めたら吐くぞ、などのマウイのセリフに顕著)。
ただ、アナ雪とかではプリンセス批判そのものが目的化しすぎていて、それ以上のメッセージ性に乏しかったように思えたのだが、
本作では、じゃあプリンセスではないとして、自分は何者なんだ、というところにまで踏み込んで描かれている点が良い。

何度もwho are you?というセリフが出てきて、しかもそれはモアナだけではなくマウイやテ・フィティにまで問われる。

特にモアナは海に拠り所を求めがちなのだけれど、本当は海に選ばれたのではなく、自分が海に出たかったんだ、自分の心の中に答えがあったんだ、そしてそれは、先祖から受け継いできたどうにも抗えないものなんだ、という、先行する世代との広い結びつきの中で自分が何者かを知る的なオチは、意外とこれまでのディズニー映画にはなかったタイプかもしれない。

マウイの描かれ方がジーニーのアップデート版ぽくていい、とか、外に出たがる系ヒロインとしてアリエルと比べると、最初は父親の言いつけを守ろうとするあたりモアナ現代っ子っぽいなとか、ロック様歌上手いとか、キラキラのカニが最高すぎるとか、言及したい点がたくさんあって、とにかくとても良い映画だった
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