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モアナと伝説の海のRAYのレビュー・感想・評価

モアナと伝説の海(2016年製作の映画)
3.8
“海も空も続いている”


この作品自体は公開当時から知っていたのだけど、映画館には足を運んでいなかった。
映像をはじめてまじまじと観たのは、ハワイに旅行した時にラウンジでこの作品が映されていたとき。
ラウンジに長時間滞在した訳ではなかったので、少しの時間観眺めた程度だった。
それでも、この作品は僕にとってのハワイの思い出になっていた。
ハワイで見た海も空も山も、何もかもが綺麗だったけれど、この作品をそれもほんの数十分観ただけでいつまでも印象に残ってしまうくらい美しかった。
せっかくDisney+を契約したことだし、そんな思い出の本作をきちんと鑑賞しようと思ったのでした。


やはり、この作品の映像の美しさは素晴らしいと思う。
あの時間、ハワイにいるからと言うだけで高揚した気持ちによって過剰に美しく見えた訳では決してなくて、間違いなくこの作品は美しかったんだと確認することが出来ました。

ストーリーについて思うのは、良い意味で“ディズニーらしく”掘り下げられた作品なのではないかと言うこと。
一般的なディズニー映画にあるラブストーリーはこの映画では描かれていないけれど、だからこそ“生きていく”と言う部分に共感することが出来ます。
また、制作にあたっては歴史、音楽、タトゥーに至るまで様々な専門家からのアドバイスをもとに5年の歳月をかけてつくられたそう。
そんな中でも、動くタトゥーであったり、伝説を背景としたキャラクター設定であったりがディズニーらしく夢いっぱいに描かれています。


監督のひとりであるジョン・マスカーはインタビューで「マウイの神話そのものも地域によって違っていたりする」と語っているけれど、そのことはより夢のある話だと僕は思います。
実際、モアナの舞台は定かではありません。
しかしながら、このことは違っていても繋がっていることの暗示である気もします。
神話や伝説には“規範的な”役割があると思うけれど、それはつまり民族や地域の様々な文化のかたちでもあると思う。
文化の根本には人間がいるのだと気付いた時、映画を通じて想いを馳せることは文化の垣根を越えることにもなると感じました。

たしかに、美しいハワイの海も空も世界中が繋がっている。


客観的に観る楽しさもあると思うけれど、こんな映画はまさにそこにいるかのような様な気分で観てみることも楽しみ方のひとつなんじゃないかと思う。


観て良かった。
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