むらむら

クリッシュのむらむらのレビュー・感想・評価

クリッシュ(2013年製作の映画)
5.0
「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」のペトラ、スイスのスフィンクス展望台、シンガポールのMBFCなど、無駄に世界を飛び回るインド版DCコミックス風ヒーローシリーズの第三作。

まず、この6パックムキムキの主人公が最高。150分の上映時間の中で、旅客機の墜落を防ぐ(CG)、子供を助ける(CG)、悪人と戦う(CG)、ラブシーン(実写)など、八面六臂の活躍を見せてくれるのだ。ラブシーンだけ実写でやってんじゃねーよ! なんて無粋なツッコミはナシだぜ!

ヒーローものの王道として、マスクしてヒーロー「クリッシュ」になったら、周囲の人に気付かれないという設定にも中二心をくすぐられる。AV女優のビキニと同じくらい申し訳程度にしか顔を隠していないのに、奥さんにすら気付かれない。奥さん、アンタこないだ観た「ロスト・アイズ」の主人公以上に盲目すぎるよ!

途中、「クリッシュ」を讃えて、巨大な銅像が作られて、皆で踊るんだけど、銅像立てられて喜ぶヒーローってどうなのよ? 北朝鮮かよ!

続いて、この手の映画には欠かせない悪の組織も、この映画の魅力の一つ。「甲賀忍法帖」ばりの異能がズラッとそろってて、映画会社、子供に玩具を売りつける気まんまん。世界征服を企む癖に子供のアイスを横取りするチンケな姿も、俺的には最高だった。

あと一点だけ、どうしても書きたくなる欲求を押さえきれないので書くんだけど、悪の組織がコロナみたいなウイルスをオウム真理教みたいな手口でバラまく訳ですよ。それに対して、主人公と科学者の父親が血清を作る訳ですよ。しかも、その血清の散布法が、まさかの「空から撒く」。……あんたたちワクチンをファブリーズか何かと勘違いしてるよね?

だが、これがテキメンに効果を発揮して、悪の組織のウイルス大作戦は失敗。悪の組織、激おこ。このへんのシーンは最高だった。

上記のようなノリが最後まで続く(歩けなくなったという設定を途中で忘れてたり、ヒロインがスイスからクリッシュより早くインドに戻ってきてたりする)ので、脚本は酷評されているものの、インドでは大ヒット。全体的に父と子の物語なんだけど、監督(ラケシュ・ロシャン)は主演(リティク・ロシャン:別の役もやってるけど、観てる途中は全然わからない)の実のお父さんだってことを意識して観ると味わい深い。

まともなヒーロー映画が観たいなら「サーホー」をオススメするが、この「クリッシュ」も、今のインド映画の勢いを知る上で大変参考になる作品。数日前に監督が癌を克服して次回作を構想中というニュースがあったが、俺は絶対観に行くつもり。

最後に一言だけ。ウイルスを世界中にバラまく時の悪の組織のボスとの台詞を紹介して、この感想を終えたい。

「やはり、人類を滅亡させるために、人口が十億人以上の国を狙うべきだろう、フフフ……」
「閣下! それは中国かインドでございます」
「うーん……じゃあインドで」

えっ、なんで中国じゃないの?

あっ…(察し)。

もしかしてこのボスのモデルって、コロナを○○した習……おっと、UBEReatsが玄関に来たようなので、続きは後でksげrkうわやめwtkl (おわり)
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