むらさきの月

ルイの9番目の人生のむらさきの月のレビュー・感想・評価

ルイの9番目の人生(2015年製作の映画)
3.0
掴みどころの無い摩訶不思議な雰囲気のあるサスペンス映画
描かれている内容は
どうしようにもならない悲しい親と子、ヒトの愛の物語だけれど
観終わった後は
それとはまったく違う普遍的な親と子、ヒトの愛に包まれて 
あったかい気持ちで満たされていた
愛というカタチには様々あり 
ヒトのとって
愛し 愛されるということが どんなに大切なことなのか
愛し 愛されたということの与える影響の大きさに
この映画のラストシーンを観て 改めて感じ入る

母親役ナタリー・ドラックス: サラ・ガドンは
兎にも角にも美しい…のひと言
優しく愛情あふれる理想の母親と
影のある心寂しいか弱き女性という2役を見事に演じていた

父親役ピーター・ドラックス: アーロン・ポールは
ルイを理解し、無償の愛情を注ぐ優しいお父さんを真摯に演じてた
特に…ラストシーンの演技には 自然と涙がでてしまった

ルイが通っていた心療内科のペレーズ医師: オリヴァー・プラット
この方の存在認識がなかったけど…上手い!
あの 陳腐で奇想天外となってしまいそうな展開のパートでさえ
真実味と緊張感あふれる興味深いシーンとなったのも
彼の演技の力の影響ではないかと思う


親と子 
ヒトであることで起こりうる
愛を欲するが故の悲劇は
この世界から失くなることは永遠に無いのかもしれないけれど
この作品のラストシーン
物語のコトの顛末を知ってしまうと
これを「希望」ととるか
それとも「歴史は繰り返す」ととるか かなり思い悩んでしまうが
ただ、映画の邦題で「ライフ」を「人生」の訳を選んだところで
ルイが9つめの人生を生きることを選んだという
「希望」ある結末だったと思いたい

重いテーマを扱った作品ではあるけれど
これから親と子の絆を持とうとしている方
その絆に迷いが生まれている方に
機会があったら 観て頂きたい1本です
むらさきの月

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