ラスプーチン三世
あれ? 想像してたのと違う。
ジャケットの雰囲気や、幻想的でポップなオープニングの感じから想像して、一見ヒューマンドラマかと思いきや、実はちょっとしたダークホラー風のサスペンスでした。
鑑賞後に監督のフィルモグラフィを見て納得。「ヒルズ・ハブ・アイズ」や「P2」を撮った方なんですね。
思いっきり、そっち方面の監督でした。
見る前に気づけばよかった…。
ネタバレを避けるために情報を得ずに見たので、自分の思っていたイメージとのギャップに戸惑いました。ある意味それも制作側の意図なのかもしれないですけど。
毎年、命に関わる大きな事故や怪我をする9歳の少年ルイが崖から転落し、昏睡状態に陥るあたりまでは非常に楽しく見れたんですが、その後は徐々にトーンダウン。
特に中盤からメインとなるルイの主治医が全然共感できないキャラクターだったというのもあるかも。
小児科医師としての意識に欠ける気が…。
物語の核心となる部分については、似たような話を以前にテレビで見たことがあったので、中盤あたりで予想がついてしまった。
これに関しては、自分と同じように気がつく人は多いのでは?
むしろ作中の登場人物がそれを疑わないのがちょっとおかしくない?
若干ネタバレになるので詳しくは書けませんが、終盤の展開は???って感じでした。
急にオカルトチックになるし、なぜそんなことができるのか全く説明がない。
どうしてみんなそれで納得しちゃうわけ⁉︎
…なんとなく乗り切れない作品でしたが、良かったところはキャスティングですかね。
個人的にはルイの母親を演じたサラ・ガドンがすごく良かった。古風な美人ていうんですかね、若奥さま感が絶妙でした。そりゃダマされる男はいるでしょうね。
父親役のアーロン・ポールもなかなか。「ブレイキング・バッド」のイメージが未だに強いので、どうしてもチャラいイメージがありましたが、今作の演技は新鮮に写りました。
精神科医役のオリヴァー・プラットは久し振りに見ましたがさすがの安定感。セラピーでのルイとの会話のシーンはすごく良かった。
ただラーメンをレンゲのみで食うのは無理があると思いますよ…。