ちか

むかしMattoの町があったのちかのレビュー・感想・評価

むかしMattoの町があった(2010年製作の映画)
4.5
"むかし反ファシスト運動で投獄されたことを思い出した。ただそのときと違うのは、自分が看守であるということだ。"
収容所のようだった精神科病院を、あたたかく自由なホームのように改革しただけでなく、彼らが一市民として地域にでていくよう精神病院を廃止した。
言葉を発することすらほとんどしなかった患者たちを網や綱から解放することで徐々に怒りや要望を発信するようになり自分等の権利を主張するまでなった。その彼らの声に、妥協せず諦めず答え続け、数々の困難にも関わらず、急速な改革を進めたバザーリア。
むろんすべてのひとが幸せになった訳じゃない。患者の家族は家庭の混乱を呼び起こされたと嘆き、住居を得られずホームレスのようになった患者もいる。それでも解放し、自由に生きることができることが正しいとしたその勇気と信念の強さを見習いたい。
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