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レッド・テイルズのikoanのレビュー・感想・評価

レッド・テイルズ(2012年製作の映画)
3.3
ジョージルーカス制作総指揮。2012年の戦争映画。第二次大戦の戦闘機物。事実に基づいた話。
舞台は北イタリア。
ドーバー海峡を挟んでのスピットファイヤーではなく、P51ムスタング ! VS メッサーシュミットmf109 !うーん、名機対名機ですね。
で、レッドテイルズというのは、ムスタングの尾翼を真っ赤に塗った陸軍航空隊のタスキーギーエアメンの事。この部隊、何と全員が黒人!
アメリカには日系人部隊とか、バッファローソルジャーとか有ったけど、アフリカ系黒人の航空部隊も有ったんですね。
当時アメリカでは、黒人差別が激しく、黒人は感情面や知能面で劣り、戦争での能力は低いとされていたそうです。その理論を覆す為、実験的にタスキーギー基地で黒人の選抜試験を行い、パスした優秀な者達だけで部隊が作られたそうです。
物語はこの黒人パイロット達の活躍の話。雑務的ミッションばかりだった部隊が、次第に実力を認められ、重要な作戦も任されるようになって行く話なんですが、色々盛込み過ぎの感がありますね。
白人兵との対立、地元イタリア女性との恋、自己の能力に疑問を抱くリーダーの葛藤、撃墜され捕虜になった隊員のエピソードと、盛りだくさん。
空中戦は流石ルーカスフィルム!なかなか凄いと思いました。登場する航空機もなかなか、最後はメッサーのジェット機まで登場するんです!
ジョージルーカスはこれの前日譚と後日譚も作り、三部作にする構想を持っていたそうですが、その後どうなっているのでしょうか?白人警官の黒人殺害(白人警官は無罪)とか、白人少年による黒人教会襲撃とか、ここの所人種間の対立が激しくなっているアメリカですが、EP1で差別、EP3で和解のきっかけになる物語を持って来ればいいのにな…、なんて勝手に思ってしまいました。
もっとも、アメリカの差別主義者は、そういう映画を作らせない程の圧力団体にまでなっているのかも知れませんが…。
なんか、とってもやな感じ!
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