べえさあ

トイレのピエタのべえさあのレビュー・感想・評価

トイレのピエタ(2015年製作の映画)
3.8
「なんかね、僕生きてますよ、今。うん。」

絵描きとしての夢を諦め、毎日をやり過ごすだけの生活を送っていた青年が余命宣告を受け、偶然出会った自分と対照的な少女と生と死について向き合う話。手塚治虫さんの最後の日記の内容をベースに作られた作品。

ピエタは聖母子像の中で、十字架から降ろされたキリストの遺体を抱くマリアの姿を表した作品のことを指し(出典:http://mementmori-art.com/archives/19332475.html)、イタリア語で哀れみ/慈悲という意味を持ちます。絵の中でマリアと周りの人々が悲しみの表情を浮かべている中、なぜキリストが安らかな表情をしているのか。作品の中でもそのことについて青年は考え続けますが、最後には自分なりに答えを見つけ、その答えとともにラストシーンに繋がります。
RADWIMPSの野田洋次郎さんが主演を務めているということで気になっていた作品でしたが、観てみるとキャストの豪華さに驚きました!そして、杉咲花さんの緩急ある演技と存在感にはどの作品を観ても圧巻です、、。話自体はありがちかもしれませんが、テンポもよく、最後まで飽きずに観させて頂きました!アートがテーマとなっている映画を違う視点で解釈できるよう、教養として絵の勉強をしようと思います。