たつなみ

チャッピーのたつなみのレビュー・感想・評価

チャッピー(2015年製作の映画)
4.5
『人間とは何か?』という、『ブレードランナー 』や『攻殻機動隊』が持つ深いテーマを抱えつつ、『ロボコップ』までも彷彿とさせるストーリー展開。
相変わらずの日本のロボットアニメへの愛情も感じられる、正に”オタク監督“ニール・ブロムカンプならではの傑作!
可愛らしいタイトルとは裏腹に、SFバイオレンスものとして超楽しめる!
『第9地区』を超える、ブロムカンプ監督のベストムービーだと思う。

”意識“を持ったAIが自我に目覚めてゆく過程は子供の成長と全く同じ。
『なぜ人間はウソをつくの?』
『なぜ人間は殺し合うの?』
チャッピーの純粋で率直な疑問が胸を打つ。
チャッピーと人間との関係が『親と子』だけでなく、『創造主(=神)と創造物(=人間)』を表している所も面白い。
全体的に切ない話かと思いきや、人類の新たな可能性を暗示させるラストは結構衝撃的。
このラストは実にこの監督らしい。
…とは言えこんなのアリですか?

クライマックスの大戦闘シーンは最高に燃える。
使用する火器の種類によって爆煙が違っていたり、吹っ飛び方が違っていたりと、ブロムカンプ監督のフェチズム全開。
突っ込み所満載の脚本だが、このシーンだけでも観る価値あり!

キャストにシャールト・コプリーの名前があったので調べてみたら、彼がチャッピーのモーションキャプチャーをやってたのか…。
お疲れ様です…(^_^;)