レオ

チャッピーのレオのレビュー・感想・評価

チャッピー(2015年製作の映画)
3.0
冒頭のロボット警察とギャング団の抗争が派手過ぎないドンパチでしたので妙にリアリティがあり、期待値が上がったのですが終始可哀想で辛い気持ちしかなかったです…。
(どちらかと言うと嫌悪感多め)

人工AIのチャッピーの方が、悩んで、絶望して、期待に胸膨らませて、登場人物の中でもよっぽど人間でした。
チャッピーの擬似家族となるギャング3人組は更正することもないので害悪でしかなく、チャッピーを作り出した真面目そうな研究員ですら自分のことを『創造主』と呼ばせているのであくまでロボットと人間はステージが違うことへの示唆か支配欲かと感じました。
(だとしたらラストは皮肉)
チャッピーの動きは滑らかで違和感なく人間そのものだったのでその分理不尽な仕打ちを受け『お願い!助けて!』と悲痛な叫びをあげているシーンは本当に観ていて辛かったです。

ラストのバトルも冒頭と比べ急にスタント・CG・武器要素増し増しです。
チャッピーがランボーのような出で立ちで立ち向かった時は何の映画を観ているのかと…。
敵ロボットの弱点はどうみてもあのカモシカみたいな足なのでワイヤーを絡ませれば一発だと思います。
(スター・ウォーズで観た)
バトルシーンがなかったらまだSFとしてブレずに観れたと思います。
ヒュー・ジャックマンの悪役は新鮮でした。

私的にハッピー・エンドが好きなのでこの作品は合わなかったのですが(チャッピーが作られた環境が恵まれていたら多分好きな作品)、複雑な感情に揺れ動くロボットのヒューマン・ストーリーはよく出来ています。
レオ

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