これは凄い
兵器会社に勤めているディオン。犯罪率を減らすために、半AIロボットを作る。結果、犯罪率は激減し、成功を収める。
ディオンは、これを機に完全なるAIを作り出すが、完全なるAIは不必要なため、却下される。ディオンは、秘密裏に廃棄された警官ロボットにAIを組み込む。寿命が短いと知りながら…
チャッピーを主軸に、様々な思惑が交わると共に、チャッピーが、ギャングのニンジャ、ヨーランディ、創造主のディオン達に影響されながら育つ様を描く。
ハードなアクション映画であり、親子の映画でもある。
純粋で、無垢なチャッピーが歩む運命がとても切なく、そして、誰もが想像し得ないこのラストが胸に響く。
この映画のメッセージは、今の南アフリカの犯罪の現状、子供にはその事に対して良い悪いの区別が付かないため、何にでも入ってしまう。それと、人は、外見ではない。中身なのだという事。周りから、ポリ公と呼ばれ、いじめられる様は、童話の醜いアヒルの子みたいな感じだったりする。そして、迫害されるのは、監督が南アフリカ出身で、アパルトヘイトの最中だったので、迫害される様子にリアリティがあるように感じた。
この監督は、全作品通して、差別や、格差を描いている。監督する作品の一貫したテーマには重みがある。
チャッピーの周りと違うという苦悩と、親に懸ける愛。
このチャッピーに泣ける。
今年ベストに入る傑作。