牛猫

チャッピーの牛猫のレビュー・感想・評価

チャッピー(2015年製作の映画)
2.6
世界有数の犯罪都市ヨハネスブルクを舞台に、ギャングに誘拐されたAIロボットの成長を描いた話。

パッケージとあらすじから勝手に人間とロボットのハートフルで湿っぽい交流を描いた話かと思っていたら、悪い意味で期待を裏切られた。

色違いの耳がかわいい純粋なチャッピーが犯罪に手を染めるギャングに育てられて、どんどん悪に染まっていってしまうのが、なんとも気の毒に感じられて受け入れ難かった。
あのまま拉致されずにディオンの家に連れ帰られていたら、ベイマックスみたいな癒し系ロボットになっていただろうに。

それまでチャッピーのことを利用することしか頭になかったギャングが追い詰められて急に善意に目覚めるのも納得できない。
いじめっ子が気まぐれで人助けしたら株が上がるみたいな感じでモヤモヤした。

手裏剣やヌンチャクを覚えて戦闘技術を学んでいく様はワクワクしたけど、結局それがアクションに活かされることなく、ドンパチに終始してしまっていたのも消化不良。
ヒュージャックマンの悪役も珍しくて印象的だったけど、どうしても良い人イメージが強すぎて最後まで違和感が拭えなかった。頑なにあの会社にこだわる理由もよく分からなかった。操るムースは若干「ジュブナイル」のガンゲリオンっぽい。

オチも不気味でSFらしい後味の悪さ。設定は良かったけど、好みじゃなかった。
牛猫

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