リーアム兄さん

トイ・ストーリー4のリーアム兄さんのネタバレレビュー・内容・結末

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

ボー・ピープの美しく、たくましく、そしてチャーミングな姿に惚れる人が続出する映画。キスは積極的だが男の決断には影でそっと見守るそんな受け身的な貴婦人であったボーと全くの別人となった姿で再会。ボーの生きる世界での、異なる価値観に触れ、心を揺さぶられるウッディ。アンディの成長、ウッディの成長、次回作では何を成長させるのか楽しみにさせる映画であった。トーイストーリー2でウッディの腕が取れるくだりは今回のボウの腕のくだりのフリとなっており、自虐ネタで笑いを誘うテクニックは顕在である。子供を引きつける声、保安官としての称号、新入り時代からずっと共に成長してきた家族、ウッディはこの作品で何を決断したのか大切な人と劇場で観て欲しい。おもちゃ界の労働組合の話としてスタートしたトーイストーリー、1つの会社に属し一生を終える終身雇用という古き形態から、生産人口低下に伴う、効率的に専門性を高め横断的働き方が求められている日本の境遇にミートした作品だ。ジョン・ラセター無きトーイストーリーは、最近のディズニーの風潮であるたくましい女性像が投影されており、ピクサーらしいアニメオタクたちの日常生活の苦悩からの成長を描くスタイルから離れてきてしまって少し残念。受け身的なお姫様路線からフェミニズム路線へのビジネスでマネタイズを目指すディズニーの傘下となり、ピクサーの流派が肉薄化した大衆迎合路線へシフトしていくことは言うまでもない。