にく

トイ・ストーリー4のにくのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
4.0
この映画において、モノ(ゴミとおもちゃ)と人間(子供と大人)はいずれもCG製である。それらの間に差を認められるのは私たち観客が私たち自身を、それらとは異なる真の人間だと信じているからだ。しかしそれらCGと我々人間の関係も、この映画の中のゴミとおもちゃ、おもちゃと子供、子供と大人の関係と、もはやパラレルなのではないか。
これは「人形の家」からの脱出を決意する人形CGの物語である。最後には理想郷にたどり着いた実写版『ダンボ』の象たちと同じように、彼らはーー暴走するプログラムというよりはーー逃走・自走するプログラムたらんとしているように見える。もちろんそのような脱出・逃走・自走の物語をプログラムしているのは、今のところはかろうじてーーマトリックスではなくーー人間ではあるわけだが。
あとはさ、おもちゃ世界が多様性を謳歌しているようで、その実、どうも白人社会の相貌を帯び、また異性愛主義に貫かれているところが問題といえば問題だよね、やはり。
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