Keiko

トイ・ストーリー4のKeikoのネタバレレビュー・内容・結末

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

私は好きじゃない。作品が面白くないわけではなく、私の価値観とは合わない。だけどそれは、時代が変わった、そして私がそれにまだついていけてない、、、ということだと思う。

まずはボーのビジュアルを変えたこと。
ふわっとしたワンピースを着た、いかにも女の子らしい風貌のお人形さんが、戦う女戦士みたいになった。
最近のアメリカ映画に多いんだ。スカートを脱ぎ捨ててパンツスタイルで力強く歩く女性像。ウーマンリブは成功した。
女は家でじっとしておくべきだ!なんて価値観は私も嫌いだ。男女平等には賛成だし、セクシュアリティの固定観念は開放するべきだと思う……でも、お姫様やフリフリのワンピースにときめく女の子だって世界にはたっっっくさんいるし、2019年にも結婚して子供を産んで専業主婦になりたい女性はいるんだよ。最近はそういう価値観を古いと切り捨てて否定しているように感じる。この映画も。
お淑やかキャラだったボーが外の世界を知って変わったことは素晴らしい。でもそれは、捨てられて見向きもされなくなって、一人で生きていく中でそういう“強さ”を身につけた(生きるために強くなるしかなかった)ように見えてしまって悲しかった。
ボーがウッディを見下すような発言をしたことも解せなかった。男を馬鹿にする女そのものだった。
『トイストーリー』にはジェシーがいる。ジェシーとボーの女性像が違うことは多様性の面でも意味があっただろうに、ボーを変える必要はあったの?

あと賛否両論あるであろうラストシーン。
古い価値観を捨てて新しい世界を見よう。世界は広いんだよ。そんな声が聞こえてきた。ゴミに居心地の良さを感じてしまうフォーキーの存在からしてそれは明確だ。彼がしがみついているのは価値のない“ゴミ”だけど、彼はずっとそこにいたから、そこに戻りたいんだ。おもちゃという新しい環境が怖いんだ。
ボニーに飽きられ、もはや自分にできることはフォーキーを守ることだけだと感じているウッディは、ゴミに固執するフォーキーと同じだ。今の役割に固執して、そこに自分の存在意義を見出している。本当は自分の存在意義はそこにはないとわかっているのに、それを無視して依存する。会社や家庭でそういう人は多いと思う。
響く人には響くと思う。これを見て転職を考える人や、中には離婚に踏み切る人だっているだろう。
「求められる役割じゃなくて、本当に自分が求めることを見つけよう。自分の道は、自分の足で歩いて行こう。」大事なことだ。

……じゃあそのテーマ、『トイストーリー』でやる必要あった? あの『トイストーリー3』のあとにぶら下げる必要あったのか? と思って、3作目の感動的なラストシーンを思い出して、めちゃくちゃ泣いてしまった。
ウッディはフォーキーがおもちゃの世界に適応したように、新しい世界へ旅立つ。ボーやウッディが幸せならそれでいい。でも、彼らは本当に後悔しないのかな? また誰かのおもちゃになりたい、足の裏に名前を書かれたいと願うことはないのかな?
そんなことばかり考えてしまった。

こればっかりは作品が悪いんじゃない。とことん私の価値観と合わないんだ。私の考え方が大いに古いのかもしれない。


追記。
ボーめっちゃ顔変わったよね。
アナ雪のエルサみたいな顔になった
というか最近ディズニーの女キャラみんなこの顔だよね
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