ゆき

二重生活のゆきのレビュー・感想・評価

二重生活(2012年製作の映画)
3.8
情の本質

ある日娘の幼稚園の友達の母から夫の浮気を打ち明けられる。その矢先に目撃した夫の裏の姿。ただ、妻の知らない真実はこれだけではなかった。

じっとりしている。梅雨の時期の夕暮れ、ぼーっと外を眺める感覚。
終始安定することの無い映像と登場人物たちの心情を想像するだけで目眩が起きそうだった。
「本妻と愛人」どちらの生活も成り立たせる器用さを持ち合わせてるのに、なぜ情のかけ方にバランスをとれないんだ。
最初のシーンをひきづったまま、この人の愛情は無情で薄情と嫌悪感でたんまりだったというのに後半の加速っぷりで気付けば彼に同情してた。

私の日常は平坦で良かった。転げ落ちたくはない。
ゆき

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