ずどこんちょ

PKのずどこんちょのレビュー・感想・評価

PK(2014年製作の映画)
3.7
「きっと、うまくいく」が面白かったことと、評判が良かったので期待して見ましたが、なるほど宗教の「嘘」にだいぶ深く突っ込みましたね。まるで宗教を面白おかしく、分かりやすく解体分析した宗教学基本書のような作品。
主人公PKは宇宙人で、帰るための手段であるUFOを呼ぶリモコンを盗まれてしまいました。リモコンを探し続ける中で彼が知ったのは、地球人には「神様」という頼りにする存在がいるということ。リモコンを取り戻すため、PKは神様を探し続けるのですが、宗教によって神様へ願いを届ける方法は様々ですし、賽銭を入れても願いは叶わず…。「神様」ってどこにいて、なぜ願いは届かないの?「ただ故郷に帰りたい」という彼の願いを叶えるための宗教探訪が始まるのです。

PKが地球人ではなく宇宙人であるからこそ、地球人が信じる宗教や神様に対する純粋な疑問が分かりやすい。
当たり前に見過ごしてしまっているけれども、神様の違いを作り出してしまっているのは、私たち人間の方なんですよね。それなのに、自分たちの信じる神様を勝手に背負って、勝手に衝突し合っている。
宇宙人であるPKならではの説得力のある意見に深く頷かされました。世界中の宗教に基づくテロに対して、一石を投じた良作でした。