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インド映画って“熱い”ですよね。
物語の途中で唄って踊って…身体の内に秘めたエネルギーを全て開放するかのよう。無数の泡がパチンパチンと弾けるように細胞の隅々までが疼くのです。
それが顕著なのがヒロインの笑顔。
心の底から「楽しいッ」という微笑みを見せてくれるので、こちらも口角が上がるのですよ。健康的なお色気も見事な限りでした。うへへ(←スケベ)。
また、主演のアーミル・カーンも圧巻。
本作で演じたのは《宇宙人》ですが、素晴らしいまでの“違和感”を振り撒いていました。正直なところ、グリグリっと目を見開かれた顔は怖いです。
そして、何よりも素晴らしいのは物語。
宇宙人だから“宗教”を茶化しても大丈夫…と言わんばかりの展開は、信仰と縁遠い僕でもドキドキする始末。クレームを恐れて保守的になっている“某業界”に見せたいですね。
しかも、伝えたい内容は正論ど真ん中。
どんな宗教家でも耳をダンボにして聴く必要があると思いましたよ。娯楽要素でコーティングしていても中身は硬派…ってインドって懐が深い国ですね。
だから、本作は紛うことなく傑作。
あー。面白かった!
…と快活に言いたいところなのですが。
何故だかノリきれなかったのです。やはり、主人公に共感できなかった…のが原因ですかね。それを避けるかのようにヒロイン側の視点も取り入れてありましたが、逆に中途半端な気がしました。
また、インド映画お約束とも言える強引な展開。これも物語にうまく乗れないと“冷める要因”になるのですね。たとえば後半のある場面。胸倉を掴むような悲劇から感動的な流れは…さすがに強引過ぎると思いましたよ。
まあ、そんなわけで。
インド映画にハズレ無し…なんて期待が大きすぎたからか、微妙な後味でしたが、熱量、混沌、無限に広がる世界観…と器の大きさに圧倒されたのも事実。心が猫の額くらいの大きさでは呑み込まれてしまうのも当然なのでしょう…んがんぐ。